組織再編(合併・分割等)と競争入札参加資格
組織再編(合併・分割等)と競争入札参加資格
合併や会社分割等の組織再編の対象企業が、国や地方公共団体などへの競争入札参加資格を保有していた場合はそれらの手続についても、事前に確認しておく必要があります。「変更」や「承継」など、入札団体先により手続が異なります。
事前に確認すべきポイント
組織再編を行う際の競争入札参加資格について、事前に確認しておいた方が良いことは、主に次のようなものがあります。
【競争入札参加資格について事前に確認すべきポイント】
例)
- A社の保有している競争入札参加資格
甲県(工事と物品) - B社の保有している競争入札参加資格
甲県(工事と物品)
乙市(工事と物品) - 組織再編の方法
A社を存続会社としてB社と吸収合併
※ A社とB社ともに建設業許可があり、経営事項審査も受審
上記の場合ですと、消滅するB社が有していた乙市の資格は、A社では保有していません。
組織再編後も乙市にて引続き資格を保有したい場合は、乙市へ、入札参加資格の承継が可能か等を確認することが必要です。
~乙市に確認するポイント~
- B社からA社への承継は可能か?
→ 可能な場合はどのような手続と書類が必要となるか? - (特に工事入札について)合併時経審を受ける必要があるか?
- 合併時経審を受けなくても承継が可能か?
そもそも承継が不可能、という場合には、A社において、あらかじめ組織再編前に、乙市への新規資格をすることを想定しなければなりません。
~甲県に確認するポイント~
存続会社のA社はもともと甲県への入札参加資格がありますが、組織再編をしたことにより伴う手続の有無を確認します。
特に工事入札の場合は、特殊経審が必要かどうかを確認する必要があります。
また、組織再編の際に、商号や代表者が変わる場合は、変更手続は必要です。
B社からA社への入札参加資格の承継は可能としているものの特に工事入札の場合は、合併時経審や分割時経審等の特殊経審を受けなければ、承継は不可とする団体が多いようです。
いずれにしても、入札団体や業種(工事や物品など)により、対応方法が大きく異なりますので、事前の調査・確認をすることはとても大事な作業となります。