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東京都知事許可 鋼構造物を取得!!

※一部の内容について、守秘義務の点より修正させていただいている箇所がございます。

ご依頼の概要

申請・届出日 2017年9月
業種 鋼構造物
管轄 東京都
許可種類 知事/一般
業態 法人

☆本件の特徴

お付き合いのある税理士のからご紹介をいただきました。

 

ご依頼者のX様は、お父様が個人事業主として建設業許可(鋼構造物工事)を取得しており、X様は正社員ではあるものの、お父様の経営を補佐する立場で働いていらっしゃいました。

ところが、お父様が急にお亡くなりになり、長男であるX様がその後を継がれることになりましたが、建設業許可は相続等による承継が出来ません。したがってX様が新規に許 可を取得しなければなりません。

さらに、X様ご自身は経営を補佐する立場とはいえ、正社員ですので経営業務の管理責任者としては認められないのではないか、という大きな懸念がありました。

このようなご事情のため、専門的である行政書士に相談したいとのことで、税理士の方のご紹介で弊所にお声がけいただきました。

またこれを機に、法人を設立し、法人として許可を取得したいとのことでした。

 

お父様の許可内容及び本件のご相談をまとめると次のようになります。

 

【お父様(個人事業主)の許可内容】

・代表者 … お父様(個人事業主)

       東京都知事許可(鋼構造物・一般)

・経営業務の管理責任者(経管) … お父様

・専任技術者 … X様(所定学科(高卒)+実務経験5年)

 

※ 懸念事項

・お父様の事業を承継するX様は正社員扱い(「給与者」)のため、確定申告をしてい

ない。その代わり、お父様の確定申告書の「事業専従者」の欄にはお母様のお名前はある。ただし、金額は年間90万程。

・また、建設業許可の承継はできないため、お父様の許可は廃業し、X様が新規で許可取得をすることになり、その間は許可にブランクが生じてしまう。したがって手続きは可能な限り迅速に行う必要がある。

 

【X様の許可内容のご相談】

○経営業務の管理責任者

 X様のお母様が「事業専従者」であるため、お母様には経営補佐経験があるものとして認められるのか、それとも、X様が正社員扱い(「給与者」)ではあるものの経営補佐経験があるものとして認められるのか。

 → 都庁へ事前相談と事前認定は必須

 

○専任技術者

 X社長:指定学科卒業+実務経験

 

○財産要件

 純資産が500万円に満たなかったので、「残高証明書500万円以上」にて申請

   ※ 法人設立して第1期決算が未到来のため「資本金」で判断。

 

〇その他

法人(株式会社)を設立し、X様が代表取締役、お母様が取締役になる予定。上記のとおり資本金は500万未満のため、許可申請時に残高証明書が必要。

 

☆まとめ

一番のポイントは、X様(またはお母様)が、個人事業主であるお父様のもとで、経管に準じる地位として、経営補佐経験があるかどうかという証明とその手続きでした。

お父様の確定申告書には「事業専従者」の欄にはお母様が記載されてはいるものの、給与額は年間90万円ほどで、経営を補佐するというよりも事務や会計業務を担当なさっていました。実際に経営を補佐する立場で働いていたのは息子であるX様でしたが、「事業専従者」ではなく「給与者」(正社員扱い)の欄に記載されています。なお、お給料の金額としてはX様の方が多くもらっています。

 経管の経営補佐経験について東京都に事前相談にいったところ、東京都では、確定申告書の事業専従者又は給与者の欄に名前があり、かつその中で一番給与が高い者を、経営補佐経験として認めるという基準があるとのことでした。

 つまり「事業専従者」の欄に記載があるお母様ではなく、実際に経営を補佐し、一番給与額が高いX様が経営補佐経験のある者として認められるということです。

ただし、X様がお父様の経営を補佐していたことについて、第三者からの証明(補佐経験証明書)が必要になりました。具体的には、メインで取引している元請業者などです。

 なお、H29年度の法改正により、必要な経営の補佐経験年数が7年から6年に短縮されたため、過去6年分の各種資料が必要となります。

 

【経営補佐経験の事前認定に必要な書類と手続きのまとめ】

①お父様の確定申告書 6年分

②お父様の建設業許可申請書と変更届 念のため手元にある分すべて

③お父様の事業年度終了届 少なくとも直近5期

④補佐経験証明書 … 第三者である元請業者による証明(任意様式)

 

最初に事前相談にて①~④が必要な旨を確認したうえで事前確認手続きを申し込む。

 → 事前認定が出るのに概ね30日かかり、さらに事前認定が出てからでなければ、許可申請の受付は不可。

 

【注意点など】

事前に審査官に相談し認定をしていただける目途が立ったうえで新規申請についての準備に着手した方がよいという点と、事前認定申請後、認定が下りるまでおよそ1か月かかるそうなので、今回のように残高証明書を提出する場合は証明日の期限に注意が必要です。

 また、事前認定に必要な書類はケースにより大きく異なります。また都庁内部の基準も変わる可能性がありますので、事前認定の前の事前相談は欠かせません。

 今回は、確定申告書や過去の建設業許可申請書や事業年度終了届などを、業者様がきちんと保管していたため、事前認定はスムーズに行われました。税務関係、許認可関係の書類は極力きれいに保管しておきたいものです。

 

【その他】

建設業許可は相続で承継することができません。もし最初に法人化したうえで建設業許可を取得していれば、このような手続きは避けられた可能性が高いです。とはいえ、法人化することにより様々なコストが増加したり、義務が発生したりします。それらを十分に比較検討し個人か法人化を選択する必要があるかもしれません。

 

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