平成28年6月1日 解体工事の新設について
平成28年6月1日、改正建設業法が施行され「解体工事」の新設により、建設業の許可業種は29業種となりました。
この日以降に500万以上の解体工事を行う場合は、とび・土工工事の許可ではなく、解体工事の許可が必要になります。
ただし、経過措置があります。詳細はコチラ。
- 解体工事の技術者の資格について
- 解体工事の技術者の資格について(実務経験の場合)
- 解体工事の許可と技術者の資格の経過措置について
- 解体工事の許可申請手続について
- 解体工事業許可と解体工事業者登録の違いについて
解体工事の技術者の資格について
平成27年12月16日に公布された改正省令(「建設業法施行規則の一部を改正する省令」)で、解体工事のうち一般建設業の技術者(専任技術者と主任技術者)の要件は次のように決定されました。
解体工事の一般建設業の専任技術者または主任技術者の資格
① 1級土木施工管理技士
② 2級土木施工管理技士(土木)
③ 1級建築施工管理技士
④ 2級建築施工管理技士(建築、躯体)
⑤ 技術士(建設部門または総合技術監理部門のうち選択科目が建設部門)
⑥ 1級とび技能士
⑦ 2級とび技能士(資格取得後、解体工事の実務経験が3年以上)
⑧ 登録解体工事試験合格者
⑨ 以下の実務経験がある者
- 所定学科を卒業後に、大卒は3年以上、高卒は5年以上の解体工事の実務経験がある者
- 解体工事の実務経験が10年以上ある者
- 土木工事および解体工事に関して12年以上の経験があり、そのうち解体工事の経験が8年を超える者
- 建築工事および解体工事に関して12年以上の経験があり、そのうち解体工事の経験が8年を超える者
- とび・土工工事および解体工事に関して12年以上の経験があり、そのうち解体工事の経験が8年を超える者
※ 注意点
① 上記土木施工管理技士、建築施工管理技士の既存合格者は、国土交通大臣の登録を受けた講習(登録講習)を受講するか、解体工事の実務経験が1年以上あることにより、解体工事の技術者として認める。
② 上記技術士の既存合格者についても注意点①と同様となる
③ 解体工事にかかる「所定学科」とは、土木工学又は建築学に関する学科とする。
解体工事の特定建設業の専任技術者または監理技術者の資格
- 1級土木施工管理技士
- 1級建築施工管理技士
- 技術士(建設部門、総合技術監理部門)
- 解体工事の主任技術者のうち指導監督的実務経験が2年以上ある者(元請として4,500万以上の解体工事の指導監督的な実務経験がある者)
解体工事の技術者の資格について(実務経験の場合)
法施行後(平成28年6月1日以降)のとび・土工と解体工事の実務経験は、次のようになります。
☆「新とび・土工」の実務経験年数
…「旧とび・土工」の全ての実務経験年数とする。
☆「解体工事」の実務経験年数
…「旧とび・土工」のうち、解体工事にかかる実務経験年数とする。
事例)
法施行(平成28年5月31日)前に「旧とび・土工」の実務経験が8年あり、そのうち3年間は「解体工事」の実務経験だった場合。
このような場合、法施行後(平成28年6月1日以降)は「新とび・土工」の実務経験としては「8年間」としてカウントすることが可能です。
また、「解体工事」の実務経験としては「3年間」としてカウントすることが可能です。
※ 注意点
解体工事の実務経験については請負契約書で工期を確認します。その際、一つの契約書の中で解体工事以外の工事も合わせて請負っている場合については、契約の工期を解体工事の実務経験年数とする、としています。
解体工事の許可と技術者の資格の経過措置について
法施行日後(平成28年6月1日以降)から数年間は経過措置があり、段階的に新制度へ移行することになりますが、具体的には下記のようになります。ただし、これらの経過措置は法施行日前(平成28年5月31日以前)からとび・土工の許可を取得している建設業者が対象になります。また、経過措置期間中に技術者の要件をそろえて変更手続きを行わない場合、経過措置期間の終了時点で解体工事業の許可については廃業してしまうのでご注意ください。
【令和1年5月31日まで】
… 法施行日前から「旧とび・土工」の許可を取得している場合は、令和1年5月31日までは旧とび・土工の許可で解体工事を請負うことが出来ます。
【令和3年3月31日まで】
… 解体工事の許可は必要ですが、「旧とび・土工」の技術者を解体工事の専任技術者とすることが可能です。
事例1)平成28年5月31日以前の試験に合格した「2級土木施工管理技士(土木)」の有資格者を専任技術者として解体工事の許可を取得した場合
→令和3年3月31日までに講習又は実務経験(1年)が必要です。
→さらに変更届が必要です。※2
事例2)「2級土木施工管理技士(薬液注入)」の有資格者を専任技術者とした場合
→令和3年3月31日までは解体工事業の技術者としてみなされます。
→期間中に要件を満たす専任技術者へ変更しなければ解体工事業の許可が失効してしまいます。
☆変更手続きに必要な書類一覧☆
- 様式22号の2「変更届出書」(第1面のみ)
- 様式第1号(別紙4)「専任技術者一覧表」
- 様式第8号「専任技術者証明書(新規・変更)」
※現在の技術者を削除し新しい者を追加する場合は様式22号の3削除届も必要 - 解体工事業の技術者としての要件を満たすことの証明書類(国家資格の合格証明書等、卒業証明書、登録解体工事講習の修了証、実務経験証明書)
解体工事の許可を取得するための手続について
これから新しく解体工事業の許可を得る場合
- 手続内容→新規許可
- 手数料→9万円(大臣:15万円)
これまで「とび・土工」の許可で解体工事を行っていた場合
- 手続内容→業種追加(経過措置適用有り)
- 手数料→5万円(大臣:5万円)
他の業種「とび・土工以外」の許可を保有し、新たに解体工事業の許可を得る場合
- 手続内容→業種追加(経過措置適用無し)/般・特新規
- 手数料→5万円/9万円(大臣:5万円/15万円)
解体工事業許可と解体工事業者登録の違いについて
土木工事業、建築工事業、解体工事業※に係る建設業の許可をもたずに解体工事を行う場合においては請負金額が500万円以下であっても解体工事業者登録が必要になります。
※平成28年5月31日以前に「とび・土工工事」の許可で解体工事業を行っている場合は経過措置の適用があります。
解体工事業登録について詳細はコチラ