組織再編(合併・分割等)と経営事項審査(特殊経審)
組織再編(合併・分割等)と経営事項審査(特殊経審)
合併や会社分割等の組織再編後においても、会社の実態に即した評価を行うため、組織再編の日から最初の決算を待たずに、 経営事項審査を受けることが可能です。
この場合の経営事項審査のことを、特殊経審と言います。
組織再編の方法が、、、
- 合併の場合 = 合併時経審
- 会社分割の場合 = 分割時経審
- 事業譲渡の場合 = 譲渡時経審
特殊経審を利用した場合、消滅会社や分割会社の承継に係る「完成工事高」「元請完成工事高」「利益額」「自己資本額」などを存続会社や承継会社に合算させることができます。
組織再編の対象となる各会社の決算期や、組織再編の日(合併期日や分割期日など)のタイミングにより、特殊経審を受けることができる場合、つまり受けなくてもよい場合と、必ず受けなければならない場合とがあります。
これらの判断については、審査行政庁により解釈が異なりますので、特殊経審を「受けなくてもよい場合」なのか、「必ず受けなければならない場合」なのか、事前に確認する必要があります。
原則としてどの行政庁も、組織再編を行う場合には、必ず特殊経審を受けなければならない、としています。
特殊経審のスキーム(スケジュール)の例
特殊経審のスキーム(スケジュール)は、主に次のようになります。
【特殊経審のスキーム(スケジュール)】
- 社内で組織再編の大枠を決める
- 審査行政庁へ事前相談・確認
※ 事前に予約が必要な行政庁もあります - 事前確認審査(予備審査)
- (組織再編の日)
- 経営状況分析申請
- 特殊経審(本審査)
※ 注)
事前の予備審査を経て、特殊経審の本審査を受けることなります。
また、骨子はあくまで「経審」ですから、経営状況分析も必要です。
しかし、対象となる会社の決算期や組織再編日のタイミング、審査行政庁の方針により、大幅に異なることがあります。
特殊経審に必要な書類の例
特殊経審には、多くの場合、次の書類が必要となります。
【特殊経審に必要な書類の例】
※ 合併時経審の場合の例
事前確認審査(予備審査)時に必要な書類の例
- 組織再編(合併)の事実が確認できる書類
合併契約書(案) - 修正財務諸表
存続会社と消滅会社の数字を合算させた後のもの
※ 科目間で相互に取引がある場合は相殺が必要 - 修正財務諸表精算表
存続会社・消滅会社・相殺額の一覧表形式の財務諸表 - 税理士や公認会計士の適正証明書
修正財務諸表や修正財務諸表精算表について適正に処理したことの証明 - 修正工事経歴書
- 工事請負契約書
経営状況分析申請時に必要な書類の例
通常の経営状況分析とほぼ同じ
ただし、財務諸表は修正財務諸表が必要
合併時経審(本審査)時に必要な書類の例
- 経営事項審査申請書 一式
- 経営状況分析結果通知書
- 社会性等の確認書類
- 技術職員の技術・常勤・恒常性の確認書類
※ 注)
骨子はあくまで「経審」ですから、経営状況分析申請も必要です。
また、その他社会性などの確認書類についても、原則として通常の経審と同じ考え方です。
しかし、対象となる会社の決算期や組織再編日のタイミング、審査行政庁の方針により、大幅に異なることがあります。
特殊経審とはいえ、あくまで「経審」には変わりありませんので、基本的な確認書類などは、通常の経審とほぼ同じ考え方です。
大きく異なるのは、完成工事高や利益額などは合算しますので、合算後の「修正財務諸表」の提出が求められる、という点です。
この修正財務諸表については、税理士や公認会計士などが、適正に合算・相殺等を処理したことものとして、「適正証明書」を添付する必要があります。
修正財務諸表をどのように作成すべきかは、行政庁の判断により異なりますし、細かい処理の仕方などは経営状況分析機関に確認する必要があります。
建設業許可業者様が、合併や会社分割などの組織再編を行う場合には、上記のように事前準備や、行政庁への確認を入念に行う必要があります。
また組織再編時には、1社のみではなく、複数の会社様が関わることから、各社の担当者様間での連絡・調整なども、適宜行わなければなりません。
千葉建設業許可申請サポートでは、合併や会社分割にかかる行政庁へのお手続のみならず、事前準備、行政庁への確認、各関係会社の担当者様との連絡・調整の他、各種事前資料の作成やスケジューリングなどの面でもサポートさせていただいております。
まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください。